NORT vs Wantedly:採用モデルの違いを正直に比較

NORT|2026年5月16日·8 分で読める

ゲームのために並べられた黒と白の木製の駒が置かれたチェス盤

「Wantedlyの代替を探している」「NORTとWantedlyは何が違うのか」。採用担当の方からよく聞かれる質問です。多くの比較記事は、二つを同じ土俵に並べて「どちらが優れているか」を論じますが、実際には解いている課題がやや異なります。Wantedlyは価値観への共感を軸にしたマッチングのプラットフォーム、NORTは候補者を一度だけ客観的に評価して、その結果から企業が自分で絞り込むリバースリクルーティングのプラットフォームです。

この記事は正直に書きます。Wantedlyが本当に強いところ、NORTが違うアプローチを取るところ、両者が重なる場面と重ならない場面、そしてどちらがどんな状況に向くのかを、誇張も藁人形論法もなしに整理します。

一文でいうと

  • Wantedly は、給与や条件ではなく企業のミッションやビジョンへの共感でつながる、日本最大級のビジネスSNS型採用プラットフォームです。「話を聞きに行きたい」というカジュアル面談の文化が中心にあり、登録者は約410万人にのぼります。
  • NORT は、候補者が一度だけ技術テスト、Big Five、語学、検証済みの経験という評価を受け、そこから比較可能なキャリアスコアが生まれる仕組みです。企業はそのスコアと能力ポリゴンを基準に、自分で候補者を絞り込みます。

決定的な違いは「事前に何がわかっているか」です。Wantedlyでわかるのは、候補者が自分で語ったプロフィールと、カジュアル面談で得られる人柄や価値観の感触です。NORTでわかるのは、標準化されたテストで測定された再現可能なスキルの結果です。

なお、NORTは応募者管理システム(ATS)ではありません。選考の母集団管理やメール、ステータス管理を置き換えるものではなく、その手前にある「評価済みの母集団」を提供します。ATSと競合するのではなく、補完する位置づけです。

構造的な違い

Wantedly NORT
カテゴリー 共感マッチング型SNS採用 リバースリクルーティング+評価
事前選別の根拠 自己申告プロフィール+共感 標準化テストによる測定
マッチングの中心 ミッション・価値観への共感 能力ポリゴンとスコアでの絞り込み
候補者との接点 「話を聞きに行きたい」カジュアル面談 評価済みプールから企業が直接選定
行動特性 プロフィールや面談での印象 Big Five(OCEAN)、検証済みの検査
語学レベル 自己申告 標準化テストとCEFRレベル
経験 プロフィール記載 リファレンスで検証
給与表示 禁止(条件で釣らない設計) スコアと並んで候補者が提示
料金 月額固定(成功報酬なし) 評価済みプールへのアクセス
市場規模 日本最大級、約410万登録 新興、プールは構築中

Wantedlyが正当に強いところ

公正な比較は、相手の弱みではなく本当の強みから始めるべきです。

  • 日本における圧倒的なリーチ。 登録者は約410万人で、その70%以上が20代から30代です。エンジニアが最大の職種グループ(およそ3割)で、次いでデザイン・クリエイティブ、PM・Webディレクションが続きます。スタートアップやベンチャーを志向する若手層に届きたいなら、これだけの母集団は大きな価値です。
  • エンプロイヤーブランディングの設計。 ストーリー(ブログ)機能や会社ページで、ミッション、メンバー紹介、カルチャーを物語として発信できます。給与や待遇でなく「事業の可能性」や「一緒に働く人」で惹きつける設計は、賃金競争に巻き込まれずに採用ブランドを育てたい企業に向いています。
  • カジュアル面談の文化。 応募という重い行動の前に「話を聞きに行きたい」で気軽につながれるため、転職を強く意識していない潜在層にも会いやすくなります。リラックスした場で人柄や価値観の相性を相互に確認できるのは、Wantedlyならではの体験です。
  • 成功報酬のない月額固定料金。 ライトプランで月額約5万〜6万円から始められ、何人採用しても追加の成功報酬は発生しません。採用数が増えるほど一人あたりのコストは下がります。ダイレクトスカウトの返信率も平均20%前後と、媒体としては高めです。

これらは営業文句ではなく、多くの日本企業にとってWantedlyが正しい選択になる実際の理由です。

NORTが違うアプローチを取るところ

違いの核心は一語に集約されます。測定されたか、申告されたか、です。

  • 標準化された客観的な測定。 NORTでは候補者が一度、実際のサンドボックス環境での技術テスト、数十年の科学的検証を持つBig Five検査、CEFRレベルの語学テスト、リファレンスによる経験の検証を通過します。結果は「Pythonができると本人が言っている」ではなく、再現可能な測定値です。
  • 比較可能なキャリアスコアと能力ポリゴン。 四つの次元から単一の総合点ではなく、項目ごとに絞り込める多次元のプロフィールが生まれます。二人の候補者が同じテストを受けているため、同じ物差しで比較できます。仕組みは候補者スコアリングBig Fiveモデルの用語解説が参考になります。
  • 深いセルフサービス絞り込み。 アルゴリズムが提案するマッチを待つのではなく、最低スコア、語学レベル、検証済みの年数、稼働可能時期、希望年収といった条件で企業自身がプールを絞ります。基準を握るのはブラックボックスではなく、あなたです。条件適合の考え方はスマートマッチも合わせてご覧ください。
  • 共感だけでは見えないスキルの差。 価値観の一致は入社後の定着に効きますが、職務を遂行できるかどうかは別の問いです。NORTはギャップ分析の発想で、求める要件と実測スキルの差を可視化します。

両者が重なるところ(と重ならないところ)

重なる場面。 今後数か月で複数のエンジニアを採りたい技術職。どちらのプラットフォームも、求人を出して待つのではなく、アクティブで事前選別された候補者に企業からアプローチできます。多くのチームが複数チャネルを併用しており、それは矛盾ではありません。

重ならない場面。 Head of EngineeringやCTOのような、一点ものの高難度シニアポジション。ここで適切なのはエグゼクティブサーチであり、WantedlyもNORTもヘッドハンターではありません。逆の端では、受け取った応募を管理する選考フローだけが必要なら、それはリバースリクルーティングではなくATSの領域です。

Wantedlyが向く場面

  • 若手のスタートアップ・ベンチャー志向層に幅広くリーチしたいとき。日本での母集団の厚みは、他にない強みです。
  • エンプロイヤーブランディングで惹きつけたいとき。事業のビジョンやカルチャーを物語として伝え、共感でつながる採用を設計したい企業に向きます。
  • カジュアル面談で相性を見極めたいとき。潜在層と気軽に会い、人柄や価値観のフィットを対話で確かめる文化に価値を感じるなら最適です。
  • 成功報酬を避け、コストを読みやすくしたいとき。月額固定で、採用数が増えるほど一人あたりが下がる構造が合います。
  • スキルの深さは自分の面談で見極める前提で、自己申告プロフィールで十分なとき。

NORTが向く場面

  • 測定可能な技術職を幅広く採るとき。実技テストの結果は、どんな経歴書よりも入社後のパフォーマンスをよく予測します。
  • 客観的に比較したいとき。標準化されたキャリアスコアは、二人の候補者を同じ物差しで並べます。言葉づかいの違うプロフィールを読み比べる必要がありません。
  • 盛られたプロフィールや共感先行の判断に疲れたとき。検証済みの評価は「できる」と「できると言っている」を切り分けます。
  • 採用リードタイムを縮めたいとき。求人が開く前に「接触の手前」が終わっているため、面談はすり合わせだけに集中できます。
  • アルゴリズムの提案を待たず、自分で硬い基準で絞りたいとき。

正直な摩擦点

Wantedly について:

  • プロフィールは本質的に自己申告です。共感や人柄は見えても、職務遂行能力はカジュアル面談だけでは測れません。スキルの裏取りは別途必要です。
  • 給与・条件の記載が禁止されているため、年収重視の即戦力層には届きにくく、入口で条件のミスマッチが起きることもあります。
  • ストーリーやページの作り込みなど、運用の手間がかかります。発信を継続できないと効果が出にくい設計です。
  • 検索は職種タクソノミーが粗く、細かい条件での精緻な絞り込みには向きません。

NORT について:

  • モデルが機能するには、候補者が一度、評価に時間を投資する必要があります。とにかく早く応募を撒きたい人にとっては、この手間がハードルになります。
  • プールはまだ若く、構築途上です。十分な流動性は候補者の母集団が臨界量に達してから生まれます。日本での母集団の厚みでは、Wantedlyに明確な先行があります。
  • 現状は技術職に重心があります。全職種を横断して幅広く採るなら、密度は他の方が高い場面があります。

両方を同時に使えますか

はい、むしろ理にかなう場合が多いです。よくある流れはこうです。

1. 技術職のポジションを開く。

2. NORTで最低スコア、語学レベル、稼働可能時期で絞り、客観的に評価された候補者のリストを得る。

3. 並行してWantedlyで、若手潜在層へのリーチやカルチャーフィット重視のカジュアル面談を進める。

4. 二つのソースをATSに集約し、本来の選考フローとコミュニケーションはそこで管理する。

二者択一ではありません。段階のある一つの課題で、各プラットフォームがその一部を担います。NORTは検証済みの「接触の手前」を提供し、Wantedlyは共感ベースのリーチを担い、ATSが残りを管理します。

よくある質問

NORTはWantedlyの直接的な代替になりますか

完全な置き換えではなく、補完に近いです。Wantedlyは共感とリーチに強く、NORTは客観的なスキル測定に強みがあります。測定可能な技術職を厳密に比較したいならNORTがより正確で、日本の若手潜在層へのブランディングとリーチならWantedlyがより確立された選択です。多くのチームは両方を併用します。

Wantedlyの「事前選別」とNORTの「事前選別」は何が違いますか

Wantedlyでは、候補者の自己申告プロフィールと、カジュアル面談を通じた人柄・価値観の感触が事前情報になります。NORTでは、実技の技術テスト、Big Five検査、CEFRレベルの語学テスト、経験の検証を候補者が完了済みであることを意味します。申告された情報と、測定された結果の違いです。

Wantedlyの月額固定とNORTでは、どちらが安いですか

料金モデルが構造的に異なります。Wantedlyは月額固定(ライトで約5万〜6万円から)で成功報酬がなく、採用数が増えるほど一人あたりが下がります。NORTは評価済みプールへのアクセスを提供します。採用数や職種によって有利不利が変わるため、定価ではなく実際の採用数と職種で試算することをおすすめします。

自動化された評価は日本の法律に準拠していますか

NORTもWantedlyもAPPI(個人情報保護法)の対象となる候補者の個人情報を扱います。標準化され、基準と重みづけを明示できる手続きは、不透明なロジックよりも説明責任を果たしやすく、候補者にも企業にも筋道を示せます。

どの経験レベルにNORTの方式は向きますか

測定可能なハードスキルがパフォーマンスをよく予測する、ミドルからシニア層で最も力を発揮します。個別のリーダーシップ職には、プラットフォームを問わず構造化されたエグゼクティブサーチが適しています。

まとめ

  • Wantedlyは共感ベースのリーチ、NORTは標準化された測定。事前選別の根拠が違います。
  • Wantedly:日本最大級の母集団、若手潜在層への圧倒的リーチ、エンプロイヤーブランディング、カジュアル面談の文化、月額固定で成功報酬なし。
  • NORT:標準化された検証済み評価(技術、Big Five、語学、検証済みの経験)、比較可能なキャリアスコア、深いセルフサービス絞り込み。
  • Wantedlyは共感とリーチに、NORTは測定可能な技術職と客観的な比較可能性に向きます。
  • 両者はATSを介して並行利用でき、矛盾しません。

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